2002年7月31日(Wed)
GIRL POP FACTORY02 at Zepp Tokyo


今年もこのイヴェントがやって来た!!
例年7月31日は、記録的な猛暑になる様だ。
この日も例外ではなく、立っているだけて背中にジワっと汗をかく、
そんな一日であった。
ガールポップ」というキーワードに則ったイヴェントライブも
早いもので3年連続の開催。
今回の「GIRL POP FACTORY 02」は、その3年間の集大成的な内容だと感じた。

総公演時間約5時間半、演奏曲数48曲という、他にあまり類を 見ない企画である。
当然の事ながら、出演者も奏でるジャンルも多岐多様。
故に、私のライブレポは大きく二つの要点に絞り、
最後に総括というカタチで進めさせて頂きたいと思う。
宜しくお付き合い下さい。


出演者リスト(出演順・敬称略)
高島 彩(フジテレビアナウンサー/司会進行担当)
市井紗耶香 in CUBIC-CROSS/musee/京阪GIRL/辻カオリ/tef tef
加藤いづみAKINA(From Folder5)/松本英子唐沢美帆ソニン
YeLLOW Generation下川みくに藤岡麻美篠原ともえ/White berry
よりこ。/THE★SCANTY/fra-foa
miniLLAS+(アシストミュージシャン)
坂崎幸之助藤井尚之/ポール・ギルバート/吉田建武部聡志/ 中川雅也/大森はじめ
ゲストヴォーカル
新井利佳上田愛美くまきりあさ美藤田陽子


ここに集まった18組のアーティスト、「FACTORY」の名が示す通りの
まだ世に出ていないユニットから、加藤いづみの様にもう何十枚もの
CDをリリースしている大御所まで、実に多彩である。
ソロアーティストでいえば、松本英子唐沢美帆は実に安定感のある歌いっぷりで、
心地よく聴く事が出来た。
きくち組の申し子とも言うべき下川みくにも、実に堂々と歌い上げていた。
彼女の歌は毎年生で耳にしているが、一年毎の進捗がハッキリ感じられる。
よりこ。は独特の世界観を持つ魅力的なヴォーカリスト
私があれこれ言うまでも無く、今後彼女は活動の場を広げて行くであろう。
THE★SCANTYは私自身2度目となったが、メキメキと腕を上げた印象!
途中、ベースの音が出なくなるアクシデントもあったが、十分カバーが出来ていた。
以前と比較して、各々が余裕を持って楽器をドライブしているのが判る。
その余裕が素晴らしいライブパフォーマンスに繋がっていると思う。
White berryも良かった!!
昨年感じた、パワーの無さから来る音の軽さが消えていた。
楽曲がパンキッシュな物にシフトしていたのは、嬉しくもあり一抹の寂しさも憶えたが・・・


筆者が今イチオシのユニット形態である「女1・男数名」というパターン。
ディーバ系ヴォーカリストの次は、コレではないかと勝手に推測している(笑)
今回で云えば、市井紗耶香・musee・fra-foaが該当する。

市井紗耶香の良い所は、かつて仕込まれたであろう、
観客のココロをグッと掴む超絶ライブパフォーマンス!
今ステージでも、実力を如何なく発揮していた。
肝心なヴォーカルも、思っていた以上に悪くない!!(笑)
シングルカットされた2曲は、どちらも良い意味で「歌謡曲」している。
これからも変にアーティスティックに媚びないで、今のスタンスを貫いて欲しい。

高層ビルの1階から、いきなり最上階へ昇った観のあるmusee。
MAX100人程度のオーディエンスしか知らなかった彼女らが、
急に1600人もの前で歌う事になったのは、偶然の重ね合わせ(笑)
私がその一翼を担えた事に、今はとても感激している。
持ち時間の関係で、2曲しか披露出来なかったのが唯一残念であった。
せめてあと1曲歌えていれば、彼らのカラフルな楽曲を強くアピール出来たのではないだろうか?
演奏の出来栄えは、あの状況での100%だったと思う。
「こんなカタチのガールポップはお気に召しましたか?」
今この文章を読んでくださっている方に、逆に問い掛けたい。

トリを務めたfra-foaは、締めくくりに相応しいオーラを持った演奏。
このイヴェントをグッと引き締めたと思う。


今回、筆者がどうしても触れなければならないのは、
真夏の夜の夢「chee's」の再結集であろう。
かつて最も愛したガールズバンドのファンとして。。。
彼女達は「さよなら」を言う機会を与えられず、静かに昨夏解散していた。
不完全な幕引きに、多くのファンは不満を持っていたと思う。
解散後、藤岡麻美以外の2名は音楽活動をストップさせていた。
それが今回、ゲストボーカルというカタチで登壇。
2年前の同じ日、同じ場所で歌った「I LOVE GIRLPOP」を披露!
正直、チョっと泣きそうになった。
率直な感想として、
彼女達の生みの親であるきくちプロデューサーの
もっとも氏らしい「オトシマエ」のつけ方だと感じた(笑)
この期に及んで出演を決めた新井利佳上田愛美には、ココロから拍手を送りたい!!
本来はポップでアップテンポな楽曲であるが、今回はしっとりとスローテンポ。
このアレンジメントにした事に、作り手の良心を感じた!
ファンの心理として、どこかで願った再結成の夢。
このステージは、良い意味でその夢を打ち砕く一曲になったと思う。
「もうあの頃には戻れないんだよ、だけど・・・今までありがとう!」
そんなメッセージを説き伏せられた心境である。


幸運にも今回はとても良い番号のチケットを入手できたので、
ラストまで 最前列で観させて頂くコトが出来た。
アーティストまでせいぜい数メートル、歌う息づかいまで感じられたコトが何より嬉しかった。
筆者が最も愛する音楽を、こんなカタチで堪能出来たのだから、もう何も言うコトは無い。
おなかイッパイである(笑)
少しだけ真面目な意見を述べるならば、
これだけ裾野の広がったガールポップをこれからどの様にプロパガンダして行くのか・・・
総合ガールポップサイトを運営している身としては、気になるトコロである。
メディアに関る部分など、大きな動きは関係各位にお任せするとして、
私達ファンも、草の根活動的に見守って行けたら・・・と思う!
ある女性ヴォーカリストがこんな事を言っていました。

「ポップスの立ち位置ってとても難しいです」

得てして他の音楽ジャンルに比べて、格下に見られがちなムーブメント。
でも、決してそんなコトは無いと思います。

どのアーティストも一所懸命歌っていたじゃないですか・・・
ハートフルなステージだったじゃないですか・・・

そんな「ガールポップ」が私は大好きです!!

ご拝読ありがとうございました。

2002.8.1 文責 tempest@