2001年7月31日(Tue)GIRL POP FACTORY at Zepp Tokyo


ライブレポ 「Re−Birth」

今回筆者が参加したライブは、今までに無い大規模なモノである。
全出演者なんと21組! 総公演時間7時間強という持久走の様なイベント。
フジテレビのきくち伸氏が率いるグループ、通称「TEAM KIKCHY」による
「GIRL POP FACTORY」なるこのショーケースライブをレポートしたいと思う。


出演アーティスト(出演順)
加藤いづみキタキマユ(以上2名MC担当)
Whiteberry、ZONE、鈴里真帆、Brandnew Little Toys、Angelique、0930、hiro:n
新井裕子、辻香織、晶、ハートバザールtef tef、dicot、Strawberry JAM
TOMATO CUBE、Breath、アナム&マキfra-foa、GO! GO! 7188


ご覧の通り、ガールポップと括ってはいるものの、実に多彩且つ多ジャンルのアーティストが集まっている事がご理解頂けるだろう。
中にはピュアロックに近いモノや、パンキッシュなユニット、更には旧来からの GPアーティストもおり、主催者側の意欲が感じ取れる内容であった。

いかんせん個性派揃いの21組である。
筆者がガールポップ好きとは云え、とても全アーティストについてコメント出来るモノではない…。
思いつくままにインプレッションを列挙して行きたいと思う。
最後までお付き合い頂ければ幸甚である。


加藤いづみ
司会進行の大役を任された彼女が、今回のオープニングアクトも務めている。
1000人規模のライブで歌うのは、彼女にとって久しぶりであったと思われるが、ブランクを全く感じさせず、伸びやかに歌い上げていた。

キタキマユ
MCのアシスタントに抜擢された彼女。
得意の「天性のボケ」を如何なく発揮(笑)
実は生で歌を聴くのは初めてだったのだが、予想以上に(?)歌えていた。
アンプラグドなアレンジで、ごまかしの効きにくい状況にもかかわらず。

Whiteberry/ZONE
若さ爆発!っていう感じが素直に楽しめた(笑)
演奏の良し悪しはこの際抜きという感じで…。
ホワベリのDrは結構力強い感じで好感を持った。
スネアは手の力弱いのかなぁ?とも思うのだが。

鈴里真帆
(加藤)いづみチャンと双璧をなす「真のGPシンガー」である彼女。
師匠である吉田建氏を従えてのLIVE。
相変わらずおキレイで(笑)

・Angelique
彼女達を観るのは今回が2度目。
持ち味の繊細なコーラスワークが今回のハコでは今一歩真価を発揮出来いなかった
気がするのが残念。
急に大人びたエミと、相変わらずなチヒロの姿が好対照であった(笑)

・0930
昨年の今頃、初めて彼女達の演奏を聴いて「これはイイ!」と思った。
コミカルな楽曲、キャラクターと裏腹のしっかりしたヴォーカル。
すっかりお茶の間の人気者になった二人だが、今回歌った楽曲が意外な程メロディアスで
あった事に、新たな衝撃を受けた。

hiro:n/新井裕子
この二人を一緒に括ってしまうと、双方のファンからお叱りを受けそうだが(苦笑 )
どちらも非常にキュートな女性だという印象。
もちろんヴィジュアルもそうなのだが、何より歌声がキュートなのだ。

辻香織/晶
デビュー前&デビュー直後の若いふたり。
どちらもきくちPイチオシのアーティストである。
荒削りで幼さの残るVo.が印象的な辻、
13歳とはとても思えない完成度を誇る晶のVo.
末恐ろしい存在である事だけが両者に共通したファクターである。

ハートバザール
筆者が今回一番期待していたのがこのユニット。
初めて演奏を耳にしたのだが、早速惚れ込んでしまった(笑)
クリアヴォイスでは無いのだが、どこまでも抜けの良い皐月のヴォーカル。
それに応える紀子のパワフルなベースプレイ。
男性・女性の2by2というメンバー構成も面白いと感じた。

・dicot
このイベントの直近に「HEY! HEY! HEY!」に出演した彼女達。
その映像を観ながら、このコ達は面白いしイケてると思っていた。
コミカルな雰囲気の楽曲と相反する力強いヴォーカル。
客あしらいの上手さもこのユニットの特筆すべきトコロだろうか?

Strawberry JAM
安直な比喩だと笑われそうだが、彼女達の演奏を聴きながら思い浮かべたのは、
やはり3ピースガールズバンドだった「GO−BAN'S」である。
コントラバスを使っているのがこのユニットの特徴。
実は筆者も十数年前にほんの少し触った事があるのだが、
とても身体(腰)に負担のかかる難しい楽器だ。

・Breath
言うまでも無く筆者イチオシのユニット。
別コラムにまとめてあるので、こちらをご参照願いたい。

・アナム・マキ/fra−for/GO! GO! 7188
きくちPの台詞を借りれば、「最後の3つは余裕の余の字…」
確かに別格と言っても過言では無いライブパフォーマンスであったと思う。
fra−forは初めて演奏を聴いたのだが、三上ちさこの華奢な身体から発せられている
とはとても思えない、鉛玉のように突き刺さるヴォーカルに感銘を受けた。


あくまで思いつくままに書き記してみた。
文脈の乱れ、使用語句の誤り等ご容赦賜りたい。
何ユニットか触れていないが、演奏は全て余すことなく拝聴させて頂いた。
筆者には感想を書き記すボキャブラリーが存在しない故の省略なので、
あわせてご了解願いたい。


このイベントをを総括して
これもきくち氏の言葉無断借用で申し上げるのだが…。
「21組生演奏させるという大馬鹿な企画をごり押しした所に僕のパワーがあります」
筆者も率直に無謀な企画であると思った。
結果として、予定を2時間以上も圧した終演時間になり、終電の時間を気にしながらの鑑賞であったり、目当てのユニットを見られず帰宅を余儀なくされた観客も多数存在した。
これは紛れもない事実である。
ある出演者のファンサイトの掲示板に、この事実を糾弾するカキコも見受けられた。

今回、筆者並びに弊サイトはこのイベントの企画協力サイトとしてクレジットさせて頂いている。
無論きくち氏から我々へのサービスなのだが…。
だから氏を擁護する訳ではないが、今回の企画を全否定してしまうのは いかがな物だろうか?
どう考えても、3500円のチケット代で賄える様なメニューでは無いし、途中棄権せざるを得なかった方にとっても、あの日・あの場所で・あの時間を共有出来た事が嬉しくないという事は無いのではなかろうか?

ジョブとしての側面を勝手に推測すれば、
「GPといえばKIKCHY」という専売特許を築きたいという思いがあったと思う。
早速一部出演者との仕事が決まった事も聞いている。
しかし、それ以上に音楽、とりわけガールポップを愛して止まない氏の熱意は、今回の企画を通じて痛い程伝わって来た。



最後に全肯定というのも私らしくないので、オブジェクションも付記したい。


21組ものユニットを集めたイベントと言う事自体は、かなり型破りな企画だと思う。
しかし各論に移ると、いまだ旧態依然な部分が多かったと言わざるを得ない。
筆者、並びに筆者の知人は素直に楽しむことが出来た。それは、我々が古きよきガールポップを知るロートル故の事ではないだろうか?
今回はイベントであると同時に音楽番組である「FACTORY」の収録も兼ねている。
参加者以外で、果たしてオンエアを楽しめる視聴者がどれだけいるのか?
私は、最近ほとんどテレビを見ない。時間的な制約で見られないというのも事実ではあるが、それだけが理由ではない。
きくち氏には大変失礼ではあるが、氏が手がけている「堂本兄弟」という番組も 見ていない。見ようという気が起きないのだ。

それなりに売れている出演者をゲストに据えて、安全パイのホストが仕切る。
そんな番組にいささか食傷気味になっていると思う。
目先の数字は確かに欲しい。それは全く別の畑ながら、日々数字に追われている筆者にも痛いほど良くわかる現実だ。
しかし、先を見据えて新しい「ホンモノ」を発掘し続けないと、いつまでも付け焼刃は通用しないのでは?

その「ホンモノ」が何か?
さすがに素人の私には、明確な答えを出すことが出来ない。
ヒトツ思う事は、何かと暗い話題の多い今だからこそ、真の「カリスマ」を世に出す事。
プロフィールや歌唱力だけにとらわれない、ヒトとして愛せる「カリスマ」である。
神がかりでも、宗教じみていても良いではないか。
音楽は生活に欠かせない日用品というのが筆者の持論。
その音楽が変われば、世の中が動く事だってあると信じている。
「TEAM KIKCKY」なら、我々をあっと驚かせるムーブメントを起こしてくれるだろう。

かなり飛躍しすぎた内容であるが、敢えて書き添えてみた。
きくち氏の懐の深さに甘えて、素人が言いがかりに近い事を言ってしまった。
関係各位からのご批判はお受けする所存である。
私個人宛にご連絡賜りたいと思う。


数年前、GPというジャンルは蕾をつけながらも大輪の花を咲かせずに終えてしまった。
そのリベンジ請負人の旗頭が氏であると、私は断言したい。

「TEAM KIKCHY発、新世紀ガールポップムーブメント」今は一瞬たりとも目を離せない。

This TEXT dedicated to KIKCHY & all KIKCHY STAFF



2001.8.3  文責 tempest