2001年 2月26日(Mon)Breath at shibuya NEST


ライブレポ!「distance」


「Breath〜ブレス」というユニットをご存知であろうか?
ピンとくる貴方は例外なくチェキ男と呼ばれる部類の方であると推察される。
このユニットの詳細については別の機会に詳しく説明するが、「松本江里子」という20歳の女性がヴォーカルのソロユニットである。
そのBreathが実質上のお披露目となる初ライブの模様をお届けしたいと思う。
会場はshibuya NEST、有名なON AIRの5Fにある小さなハコである。
今回は対バン有り、他のユニットは男性ばかりの構成であった。
前週に筆者が参加した下北沢のライブと違い、メロディアスな楽曲中心なので楽しんでやり過ごすコトが出来た。

お目当てのBreathは3番目の登場!
Eggが3本、Ag1本、Eb2本 やけにセッティングが物々しい。
程なくVoの松本が登場。
筆者の記憶に残る彼女とは別人のようだ。すっかりオトナの色香を漂わせている。
メンバー構成はヴォーカル・ギター・ベース・ドラムという至極一般的な布陣。
ギタリストはiksi:d(イクシード)でお馴染みの木村玲氏。
ステージ暗転の後、演奏スタート

#1 青のグラデーション
#2 as it as-ありのままに-
#3 memory
#4 しあわせのツール
#5 バス
#6 Myself

#5「バス」は、幼少の頃の想い出を綴ったというバラード。
このライブの為に書き下ろし、僅か三日前に完成した楽曲との事。
他はキャッチ−なサビにEgが泣く超哀愁系のサウンドである。
まさにiksi:dのソレであったと筆者は理解した。
サウンドプロデュースが木村氏ゆえの結果だとは思うが…
演奏の出来については触れるべき点は何も無いと思う。ヴォーカル以外すべてサポートメンバーな訳だし、各々プロのミュージシャン であるのだから…。
肝心のヴォーカルは、実は結構驚かされた。
「おっ なかなかヤルじゃん!」
これが率直な感想である。
数年前に聴いた彼女の歌声は、あくまでアイドルの領域。音量も音程も決してプロでは無かった。ブランクは一年余り、相当の努力の跡は伺えた。
クリアーではない、かといってソウルフルでもない。上手い言葉は見当たらないが、筆者には耳に残る歌声であった。

彼女の今の身分はフリーのアーティスト、言わば「ぷー」である。そんな境遇の彼女が、この様な舞台に立てるという事は奇跡に近いと思う。
バックには過去の彼女に関わりのあった方々の、ボランティアとも思える力添え、口添えがあったのは容易に推察出来る。

本人のクチから「チェキッ娘」というワードは今回聞く事は無かった。
今更蒸し返すつもりは全く無いし、筆者もこだわる筋合いではない。
ただその過去を抹殺するのでは無く、誇りに思って今後の活動に励んで欲しい。
チェキ男である筆者の切なる願いである。

Breath=松本江里子
今、ふたたび旅立ちのラインについた孤高のヴォーカリスト
その道のり、穏やかなる事を祈る。



2001.2.28 tempest@