2000年11月26日(Sun)モーニング娘。 at ツインメッセ静岡・北館


ライブレポ!モーニング娘。「ファンを満足させるコンサートとは?」


この世紀末に於いて、世間一般の評価で最も露出が多いガールポップユニットを挙げるならば、間違いなく彼女達であろう。
テレビ、ラジオ、インターネット、雑誌・・・他あらゆる媒体において、娘。という文字を見かけない日はまず無い。

そんな前置きはともかく、筆者は去る11月26日にツインメッセ静岡で開催された彼女達のコンサートに参加した。
この日は昼・夜の2回公演。筆者が鑑賞したのは昼の部である。
会場はアスファルト敷きのただっ広い催事場。ここにパイプ椅子がズラっと並んでいる。その数6000脚強、これがほぼ満席になっていた。夜の部も同様であったと推察する。観客の約3割は親子連れである。子供は小学校3〜4年生位が結構多い。我々のようなロートルなファンは少ない。
定刻を15分押しでスタート。

一曲目に「ハッピーサマーウェディング
観客総立ちに…と言うか我々の位置(45列目/65列)では立ちあがらないと何も見えない。
総立ちではあるが、奇声をあげたり跳びはねているオーディエンスはあまり多くない。
これは全編に於いて言える。結構お約束なコールは多いと思うのだが…
このユニットのファンに共通なのか…?
はたまた客層故の事なのか…?


公演自体は、本編が約90分、アンコールが20分強。
夜公演を控え、時間の制約があったのは判るが、アンコールのMC中に観客席を明転させてしまったのには興醒めであった。
会場の音響についても苦言を呈したい。
今回のツインメッセ静岡は、いわゆるコンサートホールでは無く催事場である。当然音響効果を狙った作りにはなっていない。スピーカーから出てくる爆音は、そのまま後ろの壁で反響・・・ディレイした返しの音が デカ過ぎて聴き取りずらい。音響の悪さを誤魔化す為に低音はやたらに強調されている。そんな状況ではとても音を楽しむ心境にはなれない。 また輪をかけて悪いのは、
伴奏はすべてカラオケだった事だ。
せっかく生の音を聴きに集まっているのに、カラオケとはヒド過ぎるのでは?

彼女達のライブパフォーマンスだが、残念ながら「?」と言わざるを得ない。
しっかりと踊れてはいる。歌唱も上手いとは言い難いが及第点はクリアしている。客のアオり方もなかなか・・・。


だが、残念ながらその全てが台本通り、人間味が感じられないのである。


最前に陣取って、彼女らの汗や息遣いまで感じられたオーディエンスであれば、また違う感想を持つのであろうが、大半の観客が見ているのはモニターに写った映像である。故にもっとワクにとらわれないパフォーマンスを披露しないと何も伝わらない。 演奏が前述の通りだった事で、筆者の感覚ではフィルムコンサートと大差無く思えた。
以上が今現在娘。のファンから離れている、筆者の感覚で書いたレポートである。


ファンの方には、実に不愉快な内容であると推察するが、一つだけお断りするならば、

決して娘。自体に否定的な見解を述べているつもりは無いのである。

メンバーの中には学生も多く在籍するが、遊びたい盛りにあえてこのような世界に身を置き、リハだ取材だと忙しく活動する彼女達には心から拍手を送りたい。

しかし、それをとりまくオトナ達が、あまりにも利益主義に走っていないだろうか?

そこにオブジェクションを唱えたいのである。
6000円という、お世辞にも安くないチケット代を徴収しておいて、ステージ、客席、音響、演出・・・全てにおいて手を抜き過ぎてはいないだろうか?
観客を誘導する係員にも言いたい。確かにあれだけの大人数を、一時に事故無く誘導するのは大変だ。 しかし、こちらはカネを払ったお客様である。あまりに馬鹿にした対応と口の利き方に、筆者はヒドく憤慨した。タレントには直接関係無い事ではあるが、いちスタッフの愚行として簡単に片づけられる内容では無い。善処を望む。


人気絶大なアーティストのコンサートは、どんなモノかと期待を込めて馳せ参じた今回の公演。残念ながら筆者には不完全燃焼な思いのみが残る結果となった。

しかし、これは彼女達10人の問題ではなく、
不甲斐ないオトナ達のアドミニストレイションが原因である。

モーニング娘。」ファンの皆さん、もっと不満の声をあげて良いのでは??

ご拝読賜り、ありがとうございました。

2000.11.27 tempest@