2000年7月30日(Sun)近藤名奈 at 赤坂グラフティ


LIVEコラム 近藤名奈+中野督夫「抱きしめて赤坂〜二人の夜」


「名奈チャンが歌っていてくれてホントによかった・・・よかった」

瞳に涙を浮かべながら語ったのは、サポートメンバーであり、地元名古屋時代からのボイトレ仲間でもある荻野リエ。
この涙が、今回のLIVEの存在理由では無いだろうか?

近藤名奈が、いわゆるホールコンサートで我々の前に姿を見せた最後は 1996年1月の日本青年館であったと思う。途中、NANA名義での他ユニット活動等を挟んだものの、実質的には 3年半もの長きにわたって活動休止していた。
充電期間なんてありふれた 言い訳は通用しない長さである。
そんな彼女が、オープニングで歌った曲「少年のままでいい」中野督夫がつま弾くAgのみという、シンプルな伴奏に載って聞こえてきたその歌声は 紛れもなく名奈の声であり、しっかりとビブラートが響き心地よいものであった。
ファンハウス時代の3曲プラス「静かな生活」、確かにもう少しオリジナル曲があっても良かった気はするが、逆手にとって考えれば成長した彼女に当時の楽曲はもう古くなってしまったとも採れる。曲は今の名奈であればセルフコンポーズが可能であろうから、今後に期待したいと思う。

かつての「元気な名奈チャン」は微塵も感じさせず、すっかり大人の色香を漂わせた彼女であったが、唯一変わってないと感じさせたのはあの笑い声である。心の底から発せられる声に何とも言えぬ安心感を覚えた。

デビューから7年あまり。集まった多くのファンが、近藤名奈の復活に対しては 疑念を持った時期があったであろう。
しかし、今回彼女の口からハッキリとした復活宣言がなされた。

前向きに、一歩ずつ前を見ていく・・・。

彼女に一番ふさわしいスタイルだと思う。
幸いにして、中野督夫氏や旧所属事務所の岡本マネージャーのような、きわめて優秀なサポーターが彼女のバックにはいる。いずれも採算度外視での奉仕である。
我々ファンも、今回は少しだけ胸を張って良いのではないだろうか?
いつ戻ってくるかわからない彼女を、待ち続けたのだから・・・。その報奨とも言えるのが今回のLIVEであり、充実した一夜を過ごせたのだと思っている。
改めて筆者も言いたい。

「名奈チャンが歌っていてくれて・・・よかった」
2000.8.3 tempest